はしご酒(3軒目) その三十四
「ストレス ガ ストレス ヨブ ストレスストレスワールド」②
「じゃ、どのようにして、そのストレス、発散されますか?」
「発散?」
「脱ストレスの手立て、です」
「ん~・・・・・・、ご指摘どおり、ストレスなんて、感じていないのかもね」
「やっぱり」
「おバカさんに見られそうで、ちょっと悔しいけど、・・・ないわね、ない、ストレスなんて」
「おバカさん?。その場合のおバカさんも、立派な誉めコトバだと思います」
「なら、いいけど」
「おバカさん、大いに結構。心配ご無用です!」
そんな誉め言葉である、いい意味でのその「おバカさん」になれなくて、バカみたいに真面目に考え込み、悩み、溜め込んでしまったそのストレスが、魔物たちを導き入れて、ソコに、悩みや失意や無力感を芽吹かせ、場合によっては、怒りや憎しみや恨みを育む。そして、魔物たちは、その人自身にも、その人以外にも、トドメの牙をむくのだ。
そう、牙をむく。むきまくる。
そんな、そんなこの世の中だから、想像を余裕で超えるモンスター級のストレスに見舞われ、苦しみ、押し潰されそうになってしまっているピーポーたちが、おそらく、数多くおられるはず。そういう人たちに比べれば、私のストレスなど、とるに足らないものなのかもしれない。だから、「そんなの、ストレスでもナンでもないわよ。シッカリしなさい」などと、どうしても言わせれがちだ。
しかし、当人にとっては、ソレなりに、結構、ヘビー級であったりするものだから、たいていの場合、誰にも打ち明けることもなく、人知れず、悶々と、勝ち目のない孤独な闘いを強いられるのである。
トにもカクにも、とかくこの世はストレスがストレス呼ぶストレスストレスワールド。だからこそ、少々のことでは動じない、心豊かな魅力溢れるおバカさんでありたい。そんなおバカさんを目指そう。と、心の中で宣言する、私なのである。(つづく)