ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.139

はしご酒(2軒目) その四十一

「プチプロ!」②

 「プチなプロフェッショナル、プチプロ、で、充分ですよね」

 「パチプロ?」

 え!?

 パ、パチプロではない、プ、チ、プ、ロ。

 似てはいるが、パチプロではない、ことぐらい、話を聞いていればわかるでしょう、と、一応、ココロの中で突っ込ませていただく。

 ん、んっ!?、そうだ、そうだった、パチプロ、パチプロだ。随分と以前のコトだが、たまたま居酒屋で、隣り合わせになったのだ。あの日、あの時の、あのパチプロ夫婦、今でも元気にしているだろうか。

 そう、パチプロ夫婦。

 ホワ~ンとした、実に気の良さそうな旦那さんであったのだけれど、プロとしては圧倒的に旦那さんの方が上(と、奥さんが話されていた)ということもあってか、話題が、パチンコ道、パチプロ道、っぽくなってくると、俄然、奥さんに対してだけは上から目線であった。

 そんな、そのパチプロ夫婦。たしか、旦那さんが、千葉県の開店したてのパチンコ屋さんに赴いたときに、奥さんと出会ってナンチャラカンチャラという、そんな感じの馴れ初めだったと記憶する。

 そして、聞けば聞くほど、日本中を股に掛けるパチプロ人生の自由な感じが、なんとなくコチラまで伝わってきて、それはそれでイイかも、と、その時、ちょっと、憧れのような思いを抱いた気がする。

 でも、仮にあの時、旦那さんに、「自由でいいですね」などと言っていたら、おそらく、「そんなことないっす。命、賭けてまっすから~」(たしか、そんな感じの話し方だったような)と、否定されていたかもしれない。だがしかし、申し訳ないが、お兄さんが言うような、命、イノチ、の、へばりつき感は、あまり伝わってこなかったな。

 ただし、ただしだ。

 強靭な精神力だけは、とくに、その旦那さんのその目ヂカラから、ビリビリと、ビリビリと、感じとることができたのである。

 そう、そうだ、そうだった。

 完全に思い出した。あの日、あの時の、あの、ビリビリな目ヂカラ、を。

 スッカリ忘れてしまっていたほど、随分と時間が経過したけれど、今でも、きっと、あの強靭な精神力溢れる目ヂカラで、パチプロ道に邁進しているのだろうな~。(つづく)