はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と五十八
「チマチマ!」
島国ピーポーだから、と、彼女が。
先日、古い知人でもある、あるアーチストの展覧会にお邪魔させてもらったのだけれど、その時、彼女は、彼女のその作品たちの「チマチマ」さ具合のそのワケを、そう語っていたのである。
島国ピーポーだから。
島国、ピーポー、だから、か~。
なんとなく納得はしたのだけれど、ソコにナンらかの科学的根拠があるわけでもなく、当然のことながら信憑性は低い。信憑性は低いが、とことんチマチマした彼女の作品のみならず、この国の、盆栽やら箱庭やら和風ドールハウスやらのその突き抜けたチマチマ感に接していると、やはり、その、「島国ピーポーだからチマチマ」理論、そう易々とは侮れないな、と、マジで思えてくるから、面白い。
もちろん、その「チマチマ」、紛れもない最大級の誉め言葉である。ホント、気持ちいい。
そして、さらに、その「チマチマ」、アート系に限ったことではない。ホント、あらゆる分野に及ぶ。
たとえば、農業系に、あるいは、工業系に、「食」系に、「ナニもカも」系に、おいても、その「チマチマ」で、ほとんどどうでもいいとしか思えないような細部という細部にまで拘(コダワ)って、拘りまくって、ある種、病的なまでに追い求め、突き詰めていく。きっと、そうした姿勢が、この国の、この小さな島国の、他の追随を許さない得意技、武器、なのだろう。少なくとも、この今までは、間違いなくそうであったと確信する。
そう、武器。
ん?、武器?
そういえば、このところのあの人たちは、大量殺人武器、兵器、まで、得意技のその「チマチマ」で、他の追随を許さない、トンでもなく恐ろしい究極のモノをつくり上げて、一儲(ヒトモウ)けしてやろう、と、しか、思えないような方針転換を、いとも簡単にし始めている。
そう、武器で武器をつくる。
そんな、この国の「武器」を「武器づくり」に活かす、という、国を挙げてのオキテ破りの暴挙。の、その、あまりの暴挙さに、反吐が出そうだ。(つづく)