ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1226

はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と五十七

「カガイシャ ハ スグニ ヒガイシャ ニ ナリタガル」

 もちろん、いい意味で世界を股にかけ、クールに、グローバルな視点でモノゴトを捉え、考え、発信されておられるある女性の言葉もまた、人の、なんとも情けないダークな一面を端的に言い表していて、実に興味深い。

 「加害者は、すぐに、被害者になりたがる」

 つまり、加害者は、己の罪に、大罪に、真っ正面から、真っ当に、挑んでみようとはせず、己の罪を、大罪を、そして、己を、己自身を、ナニがナンでも正当化しようと、全力を、全霊を、上げて、挑む。多かれ少なかれ、この感じ、権力を握れば握るほど、体内に宿りがちだ。

 そう、宿りがち。

 だから、圧倒的な権力者は、そう簡単には、自己批判も自己反省も、心の底からの謝罪も、しない。そんな、心貧しきチープな権力者たち、あるいは、政治家たち、を、私たちは、悲しいかな、そこかしこで、結構、容易に見掛けることができる。

 たとえば、あの、圧倒的な権力を握る権力者側によるスラップ訴訟。も、また、見事なまでの、この、「加害者は、すぐに、被害者になりたがる」の一つの好例(悪例?)と言えるかもしれない。

 圧倒的な権力を握れば握るほど、権力者は、強者は、加害者は、すぐに、被害者になりたがる。

 あまりにも的を射ている彼女の、この、言葉。おいそれと忘れるわけにはいかない。(つづく)