はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と百と九十二
「ニゲキル ニゲキレル フフフフフ」
ふふふふふ。限りなく「黒」に近いダークまみれな悪行をしでかしたとしても、歪んだ気合い一つでどうにでもなるぜ、と、毒づくAくん。実に悪そうな表情だ。
「逃げ切る、逃げ切れる!」
ん?
「圧倒的な権力を握れば握るほど逃げ切れるんだよ、たいていのコトは」
ん~。
「正直に、素直に、反省し、自ら、己を律する。なんてコト、できっこないだろうし、どころか、そんなコト、しようとも思わないだろうしな」
「しようとも思わない、ですか」
「思わない、思わない。そもそも『悪いコトをした』なんて、微塵も思ってないんだから。おそらく、そう思ってしまった時点で負け、政治家生命の終わり。とでも思っているのだろう」
「己を律したら、終わり、ということですか」
「残念なことだが、そういう権力ピーポーたちが多い、ということだ。ソレに」
ん?
「損得勘定丸出しでナニがナンでも応援してくれる岩盤支持者たちを、裏切るわけにもいかないだろうし」
ん~、岩盤支持者たち、か~。
「トにもカクにも、あの人たちの頭の中にあるのは、『マズったな』と『どうすればゴマ化せるか』と、『どうやって逃げ切ろうか』ぐらいなんじゃないの」
いくらなんでもソコまで酷くはないと思うが、でも、国会での答弁などを聞いていると、おっしゃる通り、そんな感じなのかもしれないな、と、思わざるを得ない方々がおられたりするだけに、どうしても複雑な気持ちになる。
「逃げ切るための7ヶ条!」
逃げ切るための、7ヶ条?
「忘れる。記録を処分する。シラを切る。認めない。人のせいにする。絶対に謝らない。どころか、口撃したおす!」
わわわわわ。
仮に、マジで、そんなダークな7ヶ条で逃げ切ろうとしているのだとしたら、やはり、「極悪人」のレッテルを貼らせていただくしかないのかもしれない。
「さらに、あの、この国のピーポーたちの特質でもある『ノド元過ぎれば、熱さ、忘れる』やら『人の噂も、七十、九日』やらまでもを上手い具合に抱き込んで、利用して、『よし、逃げ切る、逃げ切れる、ふふふふふ』、と、見えないトコロで、不気味に、ほくそ笑んでいるのだろうよ、あの人たちは、きっと」
(つづく)