ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1218

はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と四十九

「ワタシガ セイジテキセキニンヲ トルベキデアルト」

 公の場で、本人にとっても組織にとっても都合が悪い真実を語ることを拒み、虚偽と隠蔽に終始し続けた、ある、責任あるポジションにいた政治家が、「私が政治的責任を取るべきであると考え」、と、所属する組織から離れることを決意する。

 町や村であれば、まだ、無所属で選挙に臨むことも充分に可能かと思われるが、国レベルとなると、さすがにそうもいかない。そういう意味では、その決意、それなりに重いモノのように思えなくもない。だが、しかし、申し訳ないが、私には、ソレが、「政治的責任を取る」コトに繋がる決意であるとは、到底、思えないのである。

 政治家が、政治的責任を取る、とは、いったい、ナンなのか。そして、彼は、本当に、その決意を政治的責任を取る決意だと思っているのか。ソコのところを、もし、親友であるなら、「ココだけの話、ぶっちゃけ、マジ、どうなのよ」、と、聞いてみたいところだけれど、当然のごとく、親友でもナンでもないのでソレは叶わない。

 ココに、そんな彼の心の内側を、端的に、見事なまでに言い表しているように思える、一つの四文字熟語がある。

 ソレが、コレ、敵前逃亡。

 そう、敵、前、逃、亡。

 真実を語れる状態であるにもかかわらず、語らずに逃亡する。この行為は重大な義務違反であると同時に、情けなくなるほどトンでもない裏切りであり、信用失墜行為でもある。(つづく)