はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と二十七
「ケツゼイ デ オナカマ ノ ホン ヲ カウ」
「巷では、ある政治家の天文学的な額の書籍購入費、に、対して、『そんなに読めるわけねえだろ』とか、『本屋丸ごと買ったのか』とか、『そもそも、ソレ、虚偽だろ』とか、と、かなりザワザワしているようなんだけれど、あるフリーライターの話によると、むしろ、実際に本を購入しているコトの方が問題、で、あるという」、とAくん。
あ、あ~、あのコトだな。
官房機密費やら政策活動費やらといった、この国のピーポーたちの血と汗と涙の結晶でもある税金、血税を、上手くやればナニに使っても問題にならない、という、いかにもあの人たちの考案らしいトンでもシステム。よくもま~こんな腐敗臭漂いまくり易いシステムを考え付けるものだと感心さえする。だけど、そのトンでもシステムと大量の本の購入とが、どうしても繋がらない。
「でも、ナゼ、アレだけの巨額な血税を投入してまで、本を、買わなきゃならないのですか」、と私。
「ソレは、『本』とはナニか。に、大きく関わってくる」
本とはナニか、とは、・・・。
「つまり、世論誘導の一翼を担える、というコトらしいんだよね」
「よ、世論誘導の、一翼、ですか」
「そう。著しく偏った本を、ランキングに大きく影響を及ぼすレベルまで大量購入する」
影響を及ぼすレベルまで、大量購入、か~。
ベストセラーなら、私も、僕も、ちょっと読んでみようか。ソレが世の中の潮流なら、その作家の話を聞いてみようか。みたいなコトに、たしかに、なるかもしれない。
「場合によっては、その偏った本の背後にある偏った組織を応援することにも繋がるしな」
背後の組織を、応援、か~。
「血税であるだけに、その使い道、犯罪の臭いさえ、プンプンしてきますよね」
「プンプン臭う臭う。血税を大量投入して偏った組織を応援するわけだからな」
ドコまで姑息なのだろう。
「と、なると、お仲間が出された本が、妙に売れたりしていた、というのも、この大量血税投入が、陰で、一役買っていた、と」
「いうことも、充分に考えられる」
う、わ~。
あまりに姑息すぎて、怒りを通り越して、情けなく、悲しく、哀れに、さえ、なってくる。(つづく)