ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1180

はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と十一

「チヤホヤ ガ モンスター ヲ ツクリアゲル」

 「蝶や花や、の、チヤホヤ。この言葉が、なんか好きでさ」

 ちやほや?

 蝶や花や?

 蝶よ花よと育てられ、と、同じ?

 なんにせよ、私は、あまり使わない。し、耳にすることもない、かも。

 「支援学校で」

 「支援学校?」

 「養護学校ね」

 「あ、あ~」

 「僕が担当の授業。みんなでゲームをしたわけよ」

 「いいですね。で、どんなゲームをされたのですか」

 「『身体を使って表現する』をテーマに、ジェスチャーゲーム」

 「ジェ、ジェスチャー、ゲーム、ですか」

 「知らない?」

 知らない。

 「水の江瀧子の紅(アカ)組と柳家金語楼の白組とがジェスチャーで鎬(シノギ)を削るNHKの人気番組だったんだけどな~」

 そもそも、その両キャプテンとも、知らない。

 「でだ。正解すると、ご褒美カード」

 「ご、ご褒美、カード、ですか」

 「そう。『こんなご褒美がいいな』ってヤツを、事前に、皆に、書いてもらって、ソコから一枚。もちろん、ナニが書いてあるかは、選んでからのお楽しみ」

 なんか楽しそうだ。

 「そのご褒美カードの中の『ご褒美』の一つが『チヤホヤ』だったわけ」

 なるほど。

 「ココぞとばかりに、皆から、イヤというほどチヤホヤされる。なんとなく気分がいいのだろう、とってもいい表情を見せてくれたりしてね」

 なるほどな。

 ズンズンと、その「ちやほや」、キュートな言葉に思えてくる。

 「でもね」

 ん?

 「この『チヤホヤ』、時と場合によっては、かなり厄介なモノになる」

 ん、ん?

 「チヤホヤが、モンスターをつくり上げる。と、いうことだ」

 ちやほや、が、モンスターをつくり上げる、か~。

 「とくに政界。怪しい怪しい」

 たしかに怪しい。

 「そうそう、エンタメ業界なんてのもな。大きなお金が動くだけに」

 あ、あ~。

 おっしゃる通り、あの世界も、よほどの人格者でない限り、調子に乗ってしまいそうだ。 

 「権力に、カネ(金)に、利害に、損得に、ベットリとまみれにまみれた『チヤホヤ』は、滅法、タチが悪く、トンでもないモンスターをつくり上げる」

 ん、ん~。

 せっかくキュートに思えてきた「ちやほや」であったのに、急転直下、一気にダークなモノに包まれていく。

 い、いかん、いかん。

 大慌てで、そのダークなモノを、グビリと、新潟のコシヒカリで洗い流す。

(つづく)

 

 

 

 

追記

 新年早々、あまりにも強烈な自然界のそのパワーに、その無慈悲さに、打ちのめされる。

 ナニをおいても、被災者たちへの迅速かつ手厚い、対応。

 加えて、原発に関する、ウソ偽りも隠し事もない情報の、共有。

 そうした対応と共有の同時進行が大切であり、不可欠。

 そして、現地で、その最前線で、尽力されている方々に、感謝。

 ん?

 新年会?

 テレビ出演?

 そ、総裁選?

 か、か、改憲