ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1064

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と百と九十五

「キヲ キル イノチヲ キル」

 「再開発」という名の破壊。「伐採」という名の暴力。「樹(キ)を切る」は「『氣(キ)』を切る」。そして、「切る」は「kill(キル)」、命を切る、切り捨てる、ということだ、とAくん。あの、一部の行政モンスターたちによる「利権のためならナンだってヤッてやるぜ」的なやり口に、ナニやらどうも、かなり、お怒りのようなのである。

 もちろん、私も、とくに大都市の再開発には、かねてから懐疑的で、ソコにトンでもなく怪しいモノを感じてはいる。そこかしこから「カネ(金)」の臭いばかりが漂ってくるように思えてならないからだ。

 「たまたまなのかナンなのか、ほぼ同時に二つの大都市が、ヤタラと樹を切り倒し始めている、切り倒し始めようとしている。のは、ドウ考えても、やっぱりドコかが可笑しい、ナニかが怪しい、としか思えないんだよな」

 怪しい、たしかに、怪しい。

 「そのトップが、ナゼ、長い年月をかけて、あれほど美しく成長した並木を伐採するのですか、という記者の質問に、台風で倒れると危ないので、と、返答していたわけよ。子ども騙しにもホドがあるとは思わないかい。台風で倒れると危ない、だぜ~」

 「私の家の近くにも、とても美しい銀杏(イチョウ)の並木道があって、秋が深まる頃、市民たちの憩いの、癒しの、スポットになっています。その人が私の町のトップでなくてホントに良かった。その人のその理屈でいくと、あの銀杏の並木も台風で倒れると危ないから全て伐採、ということになるわけでしょ」

 「なるかもな。しかし、そうした近視眼的なその場しのぎの再開発を支持するピーポーたちが数多くいることもまた、悲しいかな、事実なわけだ」

 ん~。

 単に、トップが、勝手に独断でヤラかそうとしている問題ではない、というコトか。

 「樹を切る」は「『氣』を切る」。そして、「切る」は「kill」、命を切る、というコトなのであって、その、傲慢で愚かなる行為によって、我々は、いずれ、必ず、大いなるしっぺ返しを喰らうことになる、というコトを、今一度、肝に銘じておく必要がありそうだ。(つづく)

 

 

追記

 尊敬するアーティストが、また一人、亡くなった。

 彼の熱い言葉の一つひとつに深く感銘を受けていただけに、辛い。

 ナゼ、その言葉が、権力者たちの心には響かないのか、ホントに、不思議だ。

 ひょっとしたら、そんな「心」を持ち合わせていないから、あの人たちは、権力者でおれるのかもしれない、な。

 ・・・合掌。