ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1164

はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と九十五

「イッパンロント マエガキシタウエデ」

 名言、ならぬ、果てしなく致命的な言葉という意味の「致命言」たちが、波が打ち寄せるがごとく、次から次へと、しつこく、登場し続けたりするものだから、もう、そろそろ、いい加減にせえよ、と、正義の鉄槌を下したくなる、ような、そんな今日この頃であるらしい、Aくん。たしかに、その「致命言」、耳になんてしたくないのに、ナゼか、イヤほど耳にしてしまっているような気はする。それほど、とくに国会あたりを中心に、アレやコレやと増殖しつつある、としか思えない、そんな今日この頃なのだろう。

 「その致命言のニューフェイス。ソレが、『一般論と前書きした上で』」

 一般論と、前書きした上で?

 「シモジモじゃないエライさんがヤラかしてしまったそのコトに対する貴方の意見を、考えを、尋ねているのに、一般論と前書きした上で、と、そのコト自体には触れずに一般論で逃げ切りを図ろうとするその手口、姑息感丸出しの、まさに『致命言』そのものだとは思わないかい」

 一般論で逃げ切りを図ろうとする、か~。

 たしかに、ナンともカンともなフレーズだ。

 「おそらく、お仲間の悪行をストレートに指摘し意見するコトに、余程、抵抗があるのでしょう。だから、無難に、一般論で済まそうとする。おっしゃる通り、見事なまでに姑息感、丸出しですね」

 「だろ~。お仲間であろうがなかろうが悪いコトは悪いコトなんだから、この際、正義の鉄槌を下して膿(ウミ)を出し切ってしまうことが、その人にとっても、全てのコトにとっても、むしろ最善だと思うのだが、そうは問屋が卸さないところが、この世界の、闇の深さなのかもな~」

 ふ~。

 Aくんが言うように、その闇は、想像以上に、情けなくなるほど深いのかもしれないな。

 しかし、いつものコトながら、いったい、ダレが、こんな、人をバカにしまくった、糞(クソ)みたいな「致命言」を考えているのだろう。

 まさか、あの、いわゆるエリートと言われたりしている方々が、一部の致命的な政治家たちのために、どうしようもないぐらい致命的な「致命言」たちを、寝る間も惜しんで考えに考え抜いて、政界に、次から次へと送り込んでいる?

 仮に、そうなら、ソレ、かなり気持ち悪い。

(つづく)