ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1041

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と百と七十二

「カネ ダケカ シュッセ ダケカ エラソウニシタイ ダケカ」

 学校の先生をしてきて思ったのだけれど、いわゆる公務員には、せめてコレだけは絶対に持ち込んではいけない、という三つのモノがある、と、ちょっと険しい表情で語り始めたAくん。もちろん、興味津々の、私。

 「カネ(金)、出世、権力」

 カネと出世と、権力、か~。

 およそ、教育の現場とは関係のない、無必要なモノばかりが三つ並んだように思える。

 「そんなの、当たり前のコトなのではないですか」、と、少しだけムッとしつつ、私。そんなモノが必要なら、そんなモノを望むなら、ハナから学校の先生やら公務員やらになんて、ならなきゃいい。

 「そう、その通り。当たり前のコトだと僕も思う。ただし、公務員もイロイロで、どうしてもそうしたモノが絡んできがちな公務員ってのがあるわけよ」

 あ~。 

 たしかに、公務員もイロイロだ。ソレは理解できる。学校の先生と、官僚やら国会議員やら、この頃頻繁に耳にする『みなし公務員』やら、とを、同列に並べて語るには無理があるし、好ましいとも思わない。

 「一旦、カネやら出世やら権力やらに魂が奪われてしまえば、全てのピーポーたちのために奉仕しなければならないという本来の責務、の、その放棄に繋がってしまうのは、必然。ゆえに、大問題なわけだ」

 「向くべきではない、方向を、向いてしまうということですね」

 「そう、そういうこと。だから、カネやら出世やら権力やらに繋がりそうにないモノを切り捨てる」

 トンでもないコトだ。そんなのは、もう、公務員でもナンでもない。

 「そんな、進むべき道を誤ろうとしている公務員たち、にも、あえて、あえて苦言を呈しておこうと思う。君たちは、カネだけか。出世だけか。上から目線で、エラそうにしたいだけか」

(つづく)