ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1010

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と百と四十一

「ハンゲキノウリョクッテ ナンダ!?」

 反撃?

 反撃能力?

 こんな小国が、どうやって反撃する?

 こんな原発まみれなのに、どうやって守り切る?

 とりあえず、刺し違える?

 死なばモロとも?

 せめて、一矢(イッシ)を報いる?

 ・・・

 コレが、責任ある権力者たちの責任ある思考であり行動であるとは、到底思えない。

 繰り返し繰り返し頭を過(ヨギ)るこの疑問、あらためて、もう一度、心の中で問い掛けてみる。

 「反撃って、ナニ?。反撃能力って、ナンだ!?」

 きっと、あの人たちも、そんなモノでこの国が守れるなんて思ってはいない。バカじゃないのだから、そんなコトがわからないはずがない。にもかかわらず、ヤタラと「反撃だ~、反撃能力だ~」と喚(ワメ)く。ソレは、ナゼか。

 ナゼ、ナゼ、ナゼ。

 私の心の中で、いくらそう問い掛けてみたところで答えなど見出だせるわけもなく、ココで、ついに、Aくんに助け舟を求める。

 「国が宣う反撃能力って、ナンだと思いますか」

 さすがに少し面喰らった面持ちのAくんではあるが、すぐさま立て直して、こう返してくる。

 「もちろん、イロイロと考えられるとは思うが、そんな中で、最も好ましくないのが、支持者が喜ぶ、同盟国が喜ぶ、だな」

 ん?

 「つまり、声高らかに『反撃能力!』と宣えば宣うほど、喜ぶ人たちがいる」

 「喜ぶ、ですか」

 「そう、喜んでくれる。そのコトで、自分たちが、より安定する」

 「そ、そんなコトで、ですか」

 「そんなコトで、も、大いにあるということだ」

 Aくんが指摘するように、内も外もナニもカもを全てひっくるめて考えるのではなく、自分たちにとって都合がいい相手が喜ぶから、などという理由で、万が一にもコトが運ばれているとするなら、(何度も何度も頭を過ってきたトンでもなく重い思いではあるけれど)マジでこの国は、終わってしまうような気がする。(つづく)