はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と七十一
「クロシロヲ ツケル」②
私なりに掘り下げてみる。
・・・
同情?
ソコまで追い詰めなくても。
共感?
ソレもまた致し方なし。
軽視?
大したことじゃない。
恐怖?
とにかく、怖い。
拒絶?
知りたくもない。
忘却?
忘れたい。
・・・
掘り下げれば掘り下げるほど、ナンとなく滅入ってくる。
普通なら、誰だって真実を知りたいと思うはず、の、この、「普通なら」という言葉すら、空しく感じられてくるのである。
・・・。
するとAくん、よほどのお気に入りなのだろう。先ほども、これでもかというぐらいの妖しさで歌い上げてくれた、あの、菅原洋一の♪知りたくないの、を、いま再び、もうワンランク上の哀感まみれ、で、熱唱する。
あ~なたの~過去など~知り~たく~な~いの~
済んで~しま~ったことは~仕方な~いじゃ~ないの~
あ~の人の~ことは~忘~れてほ~しい~
たとえこの私が~聞いても~いわ~ないで~
(つづく)