はしご酒(Aくんのアトリエ) その五十一
セカンドレイプ。その言葉がもつインパクトが、あまりにも強すぎて、日常の中で、そのことに触れること自体、どうしても憚(ハバカ)られてしまう、とAくん。
しかしながら、だからと言って、放ってはおけないほどの陰湿な恐ろしさが、ソコには潜んでいる、ということは、決して忘れるべきではない、とも、重く付け加える。
されど、そう語るAくん自身も、知らないうちに、セカンドレイプシンドロームに感染してしまっていることに、気付くことがある、という。
「感染ですか」、と私。
「表現として適切でないかもしれないが、市中において確実に広がりつつあるように思えるだけに、あえて、感染、と、言わせてもらおう」、とAくん。
圧倒的に加害者である甲を擁護するつもりなど、全くないのだけれど、その圧倒的に被害者である乙に対して、ほとんど無責任に、責任の一端を担わせようとしてしまう、この「セカンドレイプシンドローム」。なぜ、そんな思考の沼に陥ってしまいがち、なのか、そのナゾは、Aくんをもってしても解明されることなく、未だナゾのままである、という。(つづく)