はしご酒(4軒目) その百と百と八十一
「タテ タツンダ ジョー!」①
なぜ、真っ当な論戦が繰り広げられないのか。
なぜ、相手の意見に耳を傾けられないのか。
なぜ、ハートはあたたかいまま、アタマはクールに、考え、そして、判断することができないのか。
この、なぜなぜなぜ、は、真っ当ではない論戦に終始する当事者のみならず、周囲にも、もちろん波及し、一般ピーポーたちを稚拙な分断に駆り立てる。
そんな私の、なぜなぜなぜ、に、突然、ボソリと口を切るAくん。
「あしたのジョー。なのかもしれないな」
「えっ!?」
あしたのジョー、といえば、梶原一騎、と、ちばてつや、が、タッグを組んだ、単なるスポ根ではない伝説のボクシング漫画である。
「そういった、なぜなぜなぜ、の、そのナゾを紐解くカギが、あしたのジョー、に、あるということですか」、と、半信半疑のまま私。
するとAくんは、拳を握りしめながら小さく雄叫びをあげる。
「立て、立つんだ、ジョー!」
(つづく)