ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.353

はしご酒(4軒目) その百と四

「チョウシニノットッタラ」①

 その大阪弁のヤツであるOosacan(大阪人)なOくんの言葉を、突然、思い出す。

 「ホンマに、調子に乗っとったら、しまいに天罰くだりまっせ」

 真面目なだけではオモロないし、広がりもない、そして、なんといっても、疲れてまう、せやけども、せやからといって、調子にだけは乗ったらアカン、と、Oくんは、強くダメを押していた。

 「人はなぜ、調子に乗ってしまうのでしょう」、と、Aくんに尋ねてみる。

 またまた抹茶をいただくようにして、例のプチプチとした生タイプの濁りを口に含み、実に旨そうな「ゴクリ」という音を立てたあとAくんは、「それぞれの立場によって違うとは思うけれど」と前置きした上で、ユルリと語り始める。

 「絶対に大丈夫、と、思ってしまうのだろうな~、おそらく。問題なのは、なぜ、絶対に大丈夫だと思えてしまうのか、ソコだな」

 たとえば、酒を呑みすぎて泥酔状態にでもなっていれば、それなりに、いとも簡単に、「絶対に大丈夫」などと思えたりもするかもしれないけれど、素面(シラフ)であるにもかかわらず、そう思えてしまう、となると、なかなかなナゾがナゾ呼ぶナゾナゾワールドだな、と、おもわずズルリと、袋小路に入り込みそうになる。(つづく)