ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.222

はしご酒(3軒目) その五十一

「ローリング ナ ストーン」①

 石は、コロがるのか、コロがされるのか。

 次々と繰り出されるZ’さんの唐突口撃に、若干、怯(ヒル)みつつも、なんとなく心地いい、そんな感じで聞き入る私。

 コロがされているうちは、永遠に石コロのまま、という気がするが、石コロのままで充分に満足、右に左に前に後ろにコロコロとコロがされて本望、という考えも、僕には否定できない、とZ’さん。コロコロとコロがされるのもまた、この乱世を生き抜くための一つの処世術であるように思えるからだ、と宣う。

 でも、やはり、コロがされる石コロではなく、自分の意思で、自分が正しいと信じる道をコロがり続ける石でありたいし、この星の未来を担う若者たちにも、そうであってほしい、と補足する。

 おそらく、この後半部分の補足こそが、Z’さんの本音なのだろう。

 そして、Z’さんのお気に入り(であるらしい)のロックバンド、ローリング・ストーンズもまた、絶対に石コロなんぞであるわけがなく、根っからのローリングなストーンたちであるに違いない、と、目一杯飛躍しながら気持ち良さそうにトドメを刺す。

 Z’さんの静かながらもボワッと燃える、そんな熱き思いにほだされた私は、心の中で、叫ぶ。

 若者たちよ、なにものも恐れず、ローリングなストーンで、ドドドドド~ンと、いってみよう!(つづく)