ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.221

はしご酒(3軒目) その五十

「アエテ ノ ジマンバナシ」

 「学校の先生に自慢話はご法度」理論を説いた上で、少し間をおいてから、Z’さん、ホッコリとするような、そんな微笑ましい自慢話など、やはり、ありえないのだろうか、と。

 微笑ましい、自慢話?

 スキあらばバッシング三昧の、こんな時代だからこそ、の、あえての自慢話。お互いに自慢しあえる、そして、そこに、喜びやら癒しやらといった、ホッコリとしたものがホワンホワンと香り立つ、そんな自慢話、そういうものって、ホントに、ありえないのかな~、と、半ば独り言のように、そして、少し寂しげに語るZ’さん。

 ホワンホワンと香り立つ、自慢話?

 ん~、・・・、可能性は、ある、かもしれない。

 ダレの、ナニを、自慢しているのか、次第では、ひょっとすると、単なるウザい自(己)満(足)話から、共感できるものへと進化する、そんな気がしなくもない。

 共感できる、共感しあえる自慢話は、もはや、その枠を越えた「自他慢話(ジタマンバナシ)」なのである。嫉みや妬みさえも寄せ付けない、自他慢話ワールド、充分に、新たなるパワーすら、感じる。

 世界中のそこかしこで、「スゴイでしょ」、「スゴイね」、「あんなにガンバってるんだから」、「スゴイよ、ホントにスゴイ」、「ガンバらなきゃ」、「ガンバろうよ、ガンバろう」、というふうな感じになれば、この星の、少し心配な未来も、もう少し明るいものになる、はず。

 自他慢話には、それだけのパワーは、ある。(つづく)