ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.211

はしご酒(3軒目) その四十

「フリマワサレテハ」②

 すると、そんなホノボノな空気の温度を、ほんの少しだけ下げるかのように、クールな逆三角形のカクテルグラスが、静かに目の前に置かれた。まさに、クールビューティ、たしかに美しい。

 それにしてもZ’さん、Zさんに押されぎみ、振り回されぎみ、過ぎるのでは、と、一瞬、思ってしまったりもする。にもかかわらず、よくよく考えてみると、そうした二人から、目一杯のなかよし感も、おしあわせ感も、充分に伝わってくるのだから、ホントに不思議だ。そのことが、このホノボノな空気感を生み出しているのだろうな、たぶん。

 そんな二人に乾杯、と、ほんの少し口に含む。カクテルのことは、よくわからないけれど、見た目同様、いや、それ以上、に、美しいかもしれない。

 少し苦手であったカクテルもまた良し、と同じように、気持ちよく振り回してくれるなら、振り回されることもまた良し、と、そう思わせてくれる、Zさん&Z’さんスペシャルティコンビなのである。

 しかしながら、シモジモであるエラクナイ一般ピーポーが、シモジモじゃないエライ人たちに、理不尽に振り回されてしまう、というそんな振り回され方だけは、やはり、ドコからドウ考えてもいただけない。(つづく)