ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.158

はしご酒(2軒目) その六十

「タノマレル ニ ノマレル」①

 「もちろん、政治の世界もそうなのですが、イロイロな世界で、場面で、男気(オトコギ)があるところを見せたい、と、思うからなのでしょうか、『頼まれると、なかなか断れない』みたいなところが、結構、あるように思えて。仮に、そうだとしても、そもそもその『男気』、なにやら女性蔑視(ベッシ)的な差別臭も漂ってきたり」、などと、タラタラと、思うがままに語っていると、Oくん、そんな私のタラタラ語りを遮(サエギ)るように、突如、乱入。「エエとこ見せたい、で、エエんとちゃうの」、と。さらに、「だいたいからしてやね~、そんな天然記念物みたいなモノ言い、もう見かけへんし、耳にすることもあらへんで~」、と、一気に捲し立てる。

 男気。天然記念物、もう見かけへん、か~。

 そこまで言われると、「男気」の肩をもつワケではないけれど、良い悪いは別にして、ちょっと寂しい気もしなくはない。けれど、やはり、どう考えても、100%、Oくんのおっしゃる通り。で、この際、「男気」とは、サヨナラさせて頂いた方が良さそうだ。

 ん~、ええとこ、いいところ、を、見せたい、か~。

 しかし、ただ単純に「断りたいけれど断れない」だけ、というコトもあるかもしれない。

 そう、断りたいけれど、断れない。

 コチラの方が、なにやら、ズンと、重たい。

 ちなみに、前者のような、「いいところを見せたい」とか、「認められたい」とか、「出世したい」とか、で、あるなら、ま、ソレはソレでいいのかな、と、思えなくもない。ソレが、本人の思いだからだ。好きにやればいい。

 だがしかし、後者のような「断りたいけれど断れない」となると、ちょっと、好きにやればいい、とは、言いにくい。なぜなら、本人の思いではないからだ。

 断りたいけれど、断れない。

 やはり、コレは、かなりヘビー級だ。

 他人事ながら、大丈夫なのだろうか、と、少なからず多からず、気になってしまう私なのである。

(つづく)