ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.145

はしご酒(2軒目) その四十七

「シマグニコンジョウ ト タヨウセイ パラダイス」①

 「島国根性、って、どう思います?」、と、思いっ切り唐突に、私。

 するとO、「島国根性?。せやな~・・・」と、短いシンキングタイム。の、そのあとで、「この、国の、コレからの課題やな、とは思てる。けどや。エエように捉えたい、捉えなアカン、とも思てる」、と。

 ん?

 課題?、エエように捉えなアカン?

 「島国根性、の、その最大の弱点は、やっぱり、島国ゆえに、今、巷で話題の『多様性』っちゅうんが、どうしても、苦手。と、いうコトやと思うんやよな~」

 多様性、が、苦手、か~。

 「でも、いいように捉えたい、捉えないとダメだ、って、思っているわけですよね」

 「ん~・・・」、と、またまた短いシンキングタイム。の、そのあとで、「アカンことばかりやない。島国には島国なりの、スペッシャルなアイデンティティってのが、絶対にある!、って、思てるから」、と。

 ナゼか、いつもより、少し、男前表情で語るOくん。

 島国なりのスペッシャルなアイデンティティ、か~。

 なるほど。

 彼が熱く男前に語る『「島国多様性苦手」問題と「島国スペッシャルなアイデンティティ」』論が、そのまま、この国の進むべき道を、未来の有りようを、なんとなく言い表しているようにも思えてくるものだから、実に興味深い。

 つまり。

 「苦手ながらも、海の向こう側の個性たち、価値観たち、を、受け入れる、度量の大きさも見せつつも、スペッシャルなアイデンティティもまた大切にする、みたいな、そんな両者のハイスペックな共存あってこその、この国の理想的な未来像、『島国根性と多様性パラダイス』、で、あるような気がします」

 「島国根性と多様性パラダイス、とは、なかなかおもろいネーミングやな」

 そう、島国根性と多様性パラダイス。自分で言うのもなんだが、結構、いいネーミングだと思う。

 そして。

 この、スペッシャルなアイデンティティ、こそが、私が、以前からズッと意地でも守っていかなければならないと思い続けている、この小さな島国の、小さなコト・モノから大きなコト・モノまでの、たとえば、言語、方言、文字、食、祭り、宗教、芸能、芸術、ものづくり、などなど、と、いったモノ全てを、グルッとマルマルひっくるめた「文化」、そのものなのである。(つづく)