箸休め
「オコラヘンカラ ホンマノコトユウテヤ~」
Aくんの、あの一期一会フリークの、Oosacan(大阪人)な友だちの口癖に、「怒らへんからホンマのこと言うてや~」がある。とはいっても、一度しかお会いしていないので、その日限定の口癖であったのかもしれないけれど。
そう、怒らへんからホンマのこと言うてや~。
そのセリフ、私は、ナゼか、ちょっと気に入っていた。
ソレなりに酔いも回り、真面目に考えることがジャマくさくなって、適当に、ゴマかしつついい加減に返答なんぞをしたりしていたときに、(怒っておられる、と、いう感じは全くなかったものの)そのセリフが、ニジニジと私の耳元あたりに絡まりついてきたりしたものだから、(ちょっと気に入っていた、と、いう感じではあったものの)それはそれで、なかなかタイヘンなわけだ。
では、ナニがタイヘンなのか。
つまり、つまりだ。唐突に、「ホンマのこと言うてや~」などと言われても、自分のココロの内側を丸裸にして全て出してしまう、などというコトは、さすがに少々厳しくて、そう易々とできることではない。できることならご勘弁願いたい。
けれども、けれどもである。責任あるポジションに立っておられるシモジモじゃないエライ人たちには、やっぱり、怒らないから本当のコトを言ってほしい。そうでなければ、あの人たちの言動のなにもカモが、全くもって信じられなくなってしまいそうだからだ。
嘘ついているのカモ~。
なにか隠しているのカモ~。
都合のいいことしか言っていないのカモ~。
そんな疑い深い「カモ」たちのダークな鳴き声が、カモカモカモと私の頭の中を、グルグルグルグル回り始める。
(つづく)