ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.593

はしご酒(Aくんのアトリエ) その三十四

「タイセツニシナケレバナラナイモノ ト キョウイク ト」②

 先ほどから話題になっている「教育」が、ひょっとしたら、ココでもキーワードになってくるようなそんな気が、なんとなくしてくる。 

 するとAくん、「一人ひとりがもつ大切なものの中に、人類に共通する、人類が共有できる、そんな大切なものをどれだけもつことができるか、が、この国の、この星の、その未来に、大きく関わってくると思う」、と。

 「トップダウンで降りてくるのではなくて、一人ひとりから昇っていくような、そんなイメージですか」、と私。

 「そうだ、そんなイメージだ。偉そうに、上から目線で高圧的に、そんなことをトップダウンで言われても、そう簡単には人類共通の大切なものとはならんだろ」

 その通りだ。コトはソレほど単純でも簡単でもない。一人ひとりが学び、納得し、心から大切なものだと思わない限り、そんなもの、共有できるはずがない。

 「だからこその教育なのかもしれないな~」、と、ポツリ、Aくん。

 えっ。

 なんとなくながら私が思っていたコトと、Aくんの口元からこぼれ落ちたモノとが、あまりにも唐突に、コトモトッとシンクロしたものだから驚いてしまう。

 「だからこその教育。私も、いま、そう思っていたんです」

 「へ~、そうなんだ」

 「シモジモじゃない、とか、シモジモである、とかなんて、全く関係なく、とにかく、ありとあらゆる一人ひとりから昇っていくためには、教育しかないと思うんです」

 アレもコレもと、あまりにも、教育が担う荷が重すぎて、ホントに申し訳なく思うけれど、現時点では、ほとんど絶滅危惧種と噂されてはいるあの教育界のスーパーヒーロー、「リソウヲツイキュウシテ ナニガワルインジャー」たちの力も借りて、ココはなんとか教育に、ドドドドドンと踏ん張ってもらいたい、と、心の底から思う。(つづく)