はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と四十六
「カイチョウアゲアシトリ ノ コウザイ」①
なんとなく気になり始める。
はたして、この怪鳥アゲアシトリ、害鳥なのか、はたまた、益鳥なのか。
考えれば考えるほど、一層、わからなくなる。
「この怪鳥アゲアシトリ、いいヤツなのか、そうでもないヤツなのか、ちょっと、わからなくなってきました」、と私。
するとAくん、もう一回り、ほくそ笑み感をスケールアップさせながら、「怪鳥アゲアシトリは、ナンでもカンでも揚げ足を取る意地汚いヤツなんだけれど、根っからの悪いヤツ、って感じはしないな」、と。
おっ。
Aくんも、私と同じようなコトを感じているようだ。
「ですよね。根っからの悪いヤツは、そんなわかりやすいトコロではなくて、また別の、もっともっとダークなトコロに潜んで、不気味にイヤらしく、ヘラヘラと笑っているような気がします」
「いい、とか、悪い、とか、は、そんな単純なものでも、わかりやすいものでもない、ってことだな」
怪鳥アゲアシトリの、功罪。
なんだか、俄(ニワカ)に哲学っぽくなってきた。(つづく)