ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.814

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と四十五

「カイチョウアゲアシトリ シツゲンヲ ユク」

 お世辞にも好かれているとは言えない怪鳥アゲアシトリ。今日も今日とて、スキあらば、手当たり次第に、言いそこ間違いのその揚げ足を、取って取って取りまくる。ちなみに、この「言いそこ間違い」、「言い損ねる」と「言い間違える」との関西風マリアージュである、らしい。

 とにかく、そういった、どこまでもゲスな品性が、好かれない理由だとは思うが、アゲアシトリからしてみれば、ソレを喰らうことで生きながらえてきているわけで、そのあたりの批判なんぞは、大きなお世話以外のナニものでもない、ということになるのだろう。

 そんな、この、怪鳥アゲアシトリ、もちろん、命名者は、Aくんである。

 「怪鳥アゲアシトリ。これだけ、言いそこ間違いやら、失言やら、暴言やら、が、溢れかえっているわけですから、喰いものに有り付くには、まずコト欠かないでしょうね」、と私。

 一瞬、キョトンとした表情を見せたAくん、「ア、アゲアシトリ?」、と。

 またまた、忘却の彼方の、様子。

 「ほら、揚げ足を取って取って取りまくっている、あの、怪鳥、ア、ゲ、ア、シ、トリ、です」

 「は、はいはい、思い出した、思い出しました、アゲアシトリね」

 「溢れかえる喰いものを漁(アサ)るために、国会やら、メディアやら、ネットやら、を、あたり構わず好き勝手に飛び回っているみたいですよ」

 「ほ~。怪鳥アゲアシトリ、広大なる湿原(シツゲン)をゆく、って感じだな」

 ん?、広大なる湿原?

 あ、あ~、失言まみれの、シツゲン、湿原、と、きたか~。

 「なんか、あの、♪コンドルは飛んで行く、みたいで、カッコいいですね」

 するとAくん、ほくそ笑みながら、「だけど、とくに、高カロリーの暴言やら妄言やらが大流行りみたいだから、食べ過ぎて、太り過ぎて、もう、身体が重たくて重たくて飛べなくなってしまうかもな」、と。

(つづく)