はしご酒(4軒目) その百と二十七
「スナヤマ ト スナバ」①
勉強をする、などということとは全く無縁であった(無縁であることが許されていた)幼き子どもの頃、私は、近くに住む従兄弟(イトコ)たちとともに、来る日も来る日も遊びまくっていた。
その遊びまくりのホームグラウンドが、第三公園。
京の都のようにカチッと区画整理された我が町には、幼児用のプールと小ぶりの野球グランドまで有した第一公園と、その3分の1ほどの大きさで、シンプルな遊具が置かれただけの第二公園、そして、藤棚とクローバーの広場が美しい、ちょっと大人な感じの第三公園、という豪華ラインナップの児童公園トリオが、それぞれそれなりに、威光を放ちながら鎮座していたのである。
そんな第三公園に、ある日突然、かなり巨大な砂の山が、デデーンと出現したりしたものだから、私の心は、おもいっきりザワつき、イロめいたことを、今でもハッキリと思い出すことができる。
実際には、それほど大きな砂山ではなかったのだろうけれど、当時の幼き私にとっては、ザワつきイロめくに充分なだけの大きさを、誇っていたように見えたのだろうな、きっと。(つづく)