ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.135

はしご酒(2軒目) その三十七

「イチバン キツイ ヨンモジジュクゴ」②

 自他ともに認める独立独歩、「一匹オオカミ」感溢れるAくんだけれど、それでも、やっぱり、(いまひとつ強くなれない)私と同様、一番(とまではいかないまでも)「キツイ」四文字熟語は、やっぱり、「四面楚歌」ではないか、と、思っている。いくら強靭な精神力をもち合わせているとしても、全方位、オール敵では、さすがに、厳しい、キツイ。

 「一番キツイ四文字熟語、私は、『四面楚歌』ではないかと、思っています。四面楚歌の中では、さすがに、そう簡単には正義の道を突き進めないような気がして・・・」

 でも、厳しいと、キツイと、わかってはいても、自分の思いに、考えに、ブレることなく正直に生きたい、と、思うことは、当然ある。あるにはあるが、もし、そう決意した時、場合によっては、当然、かなり厳しい状況に我が身を投じてしまうことに、なりかねない。ソレでも、ソレでも自らの意思でイバラの道を選択せざるを得ない時、人は、どのようにして、逞(タクマ)しく、「自分」というものをもち続けて生きていけばいいのか。居酒屋で愚痴ることぐらいしかできない私ごときでは、その術(スベ)、知る由もない。

 すると、「開店休業」発言で、Oくんに、おもわず上から目線で突っ込まれてしまったお兄さんが、「四面楚歌を、ネガティブに孤立無援と思うのでなくて、ココは、ポジティブに孤軍奮闘!、と、思う、というのはどうでしょう。もう、コレしかないと思いますよ、僕は」、と。

 四面楚歌を孤立無援ではなく、孤軍奮闘、か~。

 なるほど、お兄さんが言うように、「四面楚歌」を「孤軍奮闘」と捉えれば、この胸の奥深くから、ナニやら熱いモノがプクリプクリと湧き起こってくるような、そんな気が、たしかに、しなくもない。(つづく)