ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.134

はしご酒(2軒目) その三十六

「イチバン キツイ ヨンモジジュクゴ」①

 世の中には、おびただしい数の四文字熟語があるが、その中で、この時代、この世の中で、一番「キツイ」四文字熟語、と、なると、はたしてなんだろう。

 「お兄さんにとって、一番キツイ四文字熟語、ってなんですか?」と、この店の、そのお兄さんに尋ねてみると、う~ん、と、暫し悩んだ末に「開店休業、かな」、と。

 「そりゃそうやろうとは思うけどやね~直球すぎるんとちゃう?」と、すかさず横から突っ込みを入れるOくん。「もうちょっと、ワビサビをきかせるっちゅうか、ひとヒネリみたいなんがあらへんとな~」、と、更に畳み掛ける。

 いつになく少々上から目線のOくんに、「じゃ、そのワビサビをきかせた、ひとヒネリ、というヤツを、ひとつ、お願いしますよ」、と、Oくんに、(ちょっと意地悪な感じに)私。

 一瞬、えっ、というような表情を見せたOくん、せやね~、などとブツブツ呟きながら、まさに「敵前逃亡」の如く、ス~っとトイレに行ってしまった。(つづく)