ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.190

はしご酒(3軒目) その十九

「キモノカースト ノ ユウウツ」②

 その一部分とは、脈々と続く着物ワールドの格差問題、もしくは、差別性、つまり、「キモノカースト」(と、人知れず勝手に、私は、そう呼んでいる)のことである。

 このキモノカースト、いわゆる先染めと後染めとの優劣関係に端を発っしている。もちろん、あの京やら加賀やらの友禅に代表される後染めが、圧倒的に優位に立つ。

 そもそも着物の素晴らしさというものは、染めが織る前であろうが後であろうが、その美しさ、技術の高さ、完成度、作り手の魂の含有量、が全てである、と信じて疑わない私にとって、この着物界の後染め絶対優位制度は、かなりショッキングなものであった。

 たとえば、先ほどの芭蕉布、女神が舞い降りて、糸を績(ウ)み、染め、織ろうとも、その着物が、フォーマルな場に姿を見せることは、まず、ない。

 まさに、キモノカーストの憂鬱。

 私は、どうしてもそこに、着物にベチャッとへばりつく不条理やら理不尽やら深い悲しみやらを、見てしまうのである。(つづく)