はしご酒(3軒目) その十八
「キモノカースト ノ ユウウツ」①
寡黙なバーテンダーお薦めの国産グラッパを、ほんの少し舐めるように口に含む。グラッパなど滅多に呑むことはないのだけれど、葡萄の皮と種から生まれたものとは到底思えないほどのクオリティの高さをもっており、芳醇で熟成感もある。などと偉そうなことを言ってはみたけれど、ようするに、美味いのだ。Zさんのホットな着物愛を肴に一献傾けるには、丁度良いチョイスかもしれない。
そんなご機嫌な気分の今宵の私ではあるが、着物ワールドの、ある一部分だけは、以前からずっと、どうしても理解も納得もできないままでいる。(つづく)