ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.19

鉢魚 その弐

「イシバシヲタタイテ イイコトスル~マン」

 「ゼンノゼンレイデモリションマン」ほどの「壊し屋」感はないものの、それでもほとんど同類という、ゼンノゼンレイデモリションマンの八方美人型、「イシバシヲタタイテイイコトスル~マン」、という、ソフト路線の強者(ツワモノ)が、いるらしい。

 この、イシバシヲタタイテ、イイコトスル~マン、とにかく驚くほど低姿勢。

 実にサリゲなく、それでいてキッチリと、「私にできるコトならナンでもさせてもらいますから」と、イイコトスル感を漂わす。

 そんなイイコトスル感を、低姿勢に低姿勢に漂わしつつ、まずは慎重に石橋を叩く。さらに慎重に、トントントントンと叩いて叩いて叩き続けるているうちに、結局は、動き出すチャンスを逸してしまい、というか、おそらく、ソレが狙いのスル~マン、ナニもしないまま、見事なまでに「スル~する」。

 そんな、石橋を叩きまくっているうちに、イイコトをするコトなくスル~する、スル~の達人、イシバシヲタタイテイイコトスル~マン。「スル」と「スル~」、一文字ちがいで大違いなのである。(つづく)