ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.34

強肴 その四

「ニンゲントシテ イチバントウトイモノ ハ トクデアル」 (松下幸之助)

 次から次へと惜しげもなくお茶の間に、悪しき話題を提供し続けてくれる政治やら行政やら関係のシモジモじゃないエースたち。ココまでくると、ひょっとしたら、そういったチマチマした悪行の数々は、もっともっとトンでもなく大きな悪行から我々一般ピーポーの目を逸らすための、あの人たちによる姑息なケムに巻く系のウルトラCなのではないか、と、勘ぐりたくなってしまう。もちろん、そのような勘ぐりは、的外れであってほしいが。

 志(ココロザシ)が高くなければ、人は「徳」から「得」へと舵を切る。

 人間なんて、所詮、本来、「俗」なもの。油断をすれば、血の池地獄ならぬ「得池地獄」に、いとも簡単に身を投じてしまう。悲しいかな、幾度となくTV(テレビ)画面などで、ソコに身を投じたエース中のエースたちを見るにつけ、その思いはより強固なものとなっている。

 「徳を高めず得を高める、徳を積まずに得を積む」

 コレは、Aくんのプチ名言。

 あの松下幸之助が、彼自身の名言である「人間として一番尊いものは徳である」に込めた熱く清き思いも、現代社会においては、もう、ほぼ無力なのかもしれない、というコトを、Aくんは、言いたかったようだ。それほどこの世の中は、「徳」から「得」へと移行しつつある、ということか。

 徳を高めず得を高める、徳を積まずに得を積む。

 なんとも情けない、しかも恐ろしい、そんなプチ名言なれど、コレもまた、今宵のひとり酒には、ソレなりに、味わい深い肴ではある。(つづく)