ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1471

はしご酒(Aくんのアトリエ) その九百と弐

「マエニナラエ ミギムケミギ ヒダリムケヒダリ ヤスメ」

 「今でもやってんのかね~」

 「えっ!?」

 「朝礼や運動会なんかの、ほら、あれ」

 ほら?、あれ?

 「前に倣(ナラ)え。右向け右。左向け左」

 「あ、あ~」

 「アレって、小学生の頃からナンとなく、違和感、も、抵抗、も、あったんだよな~」

 ん~。 

 当時はソンなこと、微塵も思わなかった、が、あらためてソウ言われると、たしかに軍事教練っぽい、か。

 「ツベコベ言わずに、前に倣え。右を向けと言われたら右を向き、左を向けと言われたら左を向け。って、アレから半世紀以上経った今でも、思い出す度、気持ちが悪くなる」

 「命令に従え、ですからね」 

 「オマケに『休め』、だぜ。ナゼか、みんな、全く同じポーズで、休め」

 みんな、同じ、休め、か~。

 「同じポーズでは、休めんだろ、普通」

 おっしゃる通り、同じポーズでは休めない。

 「先ほどからイロイロと、圧倒的な権力を握ってしまったあの人たちの『ヤラカシ』と、ソコに群がるピーポーたちのオンパレード、な、わけだけれど、ソレらのベースにあるのは、この、『前に倣え。右向け右。左向け左。休め』なのかもな」

 ん、ん~、た、たしかに。

 どんな人間も、いったん圧倒的な権力を握ってしまうと、あるいは、魅入られてしまうと、御多分に漏れず、ドイツもコイツも、ナニもカも、少数意見などには目もくれず、強引に、己の思い通りにコトが運ぶよう「前に倣え。右向け右。左向け左。休め」、という、限りなく毒っぽい蜜の味に、病魔に、取り憑かれ、ソコから抜け出せなくなってしまうのかもしれない。(つづく)