はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と九十七
「カゾクノ キモチヲ オモウト?」
「そんな、お子ちゃまがお子ちゃまを呼ぶお子ちゃまお子ちゃまワールド、の、事例を、好例を、一つ、述べさせてもらおうか」、とAくん。
お子ちゃま、お子ちゃま、ワールド、の、好例?
「某、防衛系の大臣が、ナゼか、個人やら家族やらの気持ちを思うと、みたいなコトを宣い出す」
ん?、家族の気持ちを、思うと?
「そもそも、あの人たちは、いつだって、個人よりも組織。家族よりも国家。なのに、だ」
ん、ん~。
「たとえば、沖縄で、米兵による性的暴行事件が起こってしまっても、あの人たちは、組織や国家を優先してコメントを差し控える。にもかかわらず、ナゼか、まさに鬼の首を取ったかのように、個人やら家族やらの気持ちを思うと大臣として黙っていられない、だぜ」
時折、見掛ける、戦略的二枚舌、か。
「つまり、目の前に舞い降りた鬼の首を取れるチャンスは、絶対に、見逃さないということだ」
チャンスは見逃さない、か~。
「鬼の首が取れるなら、突然、組織よりも個人、個人の気持ち。国家よりも家族、家族の気持ち。などと、平気で宣い出す」
たしかに宣い出す。
「本気で、個人の、家族の、その気持ちを、思いを、政策の中心に据えているなら、見えるこの国の景色は、随分と違っていただろうよ」
かもしれない。いや、きっと違っていた。
所詮、気に入らない相手を、敵を、都合よく倒すための、二枚舌。そんな二枚舌に、この国の景色を良くする力などありはしない。
「敵対する野党かナニかの誰か、だったのでしょうね、その鬼は、その鬼の首は」、と私。
「そうそう。で、その鬼、ソレほど間違ったコトを言っているとは思えねえんだが、残念ながら、雑。気持ちが昂(タカブ)り過ぎたゆえの雑さなのだろうけれど、当然、突っ込まれるわな~」
で、突っ込まれたか。
でも、よくあるパターン。
スキをつくれば、あの人たちは、必ず、オキテ破りの突っ込みを決行する。まるでお子ちゃまのようにナンの恥じらいもなく。
「すると巷では、『我々のために頑張ってくれているのに、あんなコト言われて可哀想』、『職業差別だ』、『酷い』、『許せない』、みたいなので溢れ返る」
だろうな。
でも、メチャクチャ、よくあるパターン。
「冷静に考えれば、本当は、ドチラが、個人のコトを、家族のコトを、気持ちを、親身に思っているのか、考えているのか、ぐらい、容易にわかりそうなものなのに、一旦感情的になっちまうと、もう、どうしても、判断を誤ってしまいがち」
そう、しまいがち。
ん~・・・、あらためて、あらためて思う。
私たちは、いかなる時も、ナニがナンでもクールに、冷静に、深く、深く、読み解く力を、リテラシーを、要求されている、ということを。そして、その力を身に付けなければ取り返しがつかないトンでもない過ちを犯してしまう、ということを。
しかしながら、如何せん、情けなくも、どうしても、流されてしまいがちなのである。
おそらく、そんな感じで、あの時も、あの戦争に、突き進んでいったのだろうな。
そして、バカみたいに、また、繰り返すのか、この国は。
そして、バカみたいに、また、後悔するのか、この国は。
(つづく)