ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1460

はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と九十一

「コッカジョウホウカイギホウ ト ショウサン ト キグ ト」

 「国家情報会議法」

 ん?

 「国家挙げての重要情報活動」

 んん?

 「インテリジェンス機能の強化」

 んんん?

 「そうした言葉たちを耳にして、『当然だ。安全が保障される。頼もしいね~』と称賛する者もいれば、『危ない。私たちの自由が、権利が、脅かされる』と危惧する者もいる」

 んんん、ん~。

 「多分、その称賛も危惧も、ドチラも、あながち的外れではないんじゃねえか、ってな」

 と、ユルリとながらも捲し立てた、Aくん。

 称賛も危惧も的外れではない、か~。

 しかし、だからといって、その両者が、仲良く手を繋いで闊歩するなどということが、果たして、あり得るのかどうか。

 「両雄並び立たず」、と、思わず口に出してしまった、私。

 「おっ」

 口から出てしまったからには仕方がない。

 「真逆としか思えない『称賛』と『危惧』が、仲良く並び立つことなんて、まず、あり得ないのではないか、と」

 「そりゃそうだ。あり得っこない」

 へっ。

 あまりにも軽やかなチャブ台返しに、少々、拍子抜け。と、同時に、安堵。

 「危惧を払拭できない称賛なんて、ただバカみたいに甘いだけの合成甘味料。幼い頃、一世を風靡したものの呆気(アッケ)なく姿を消した、あの、『チクロ』みたいなものだ」

 チクロ?、あ、あ~、チクロ、か~。

 砂糖の数十倍の甘さを誇った化学の力の結晶。で、あったにもかかわらず、発癌性やらナンやらカンやらが指摘されて、少なくとも、この国において、私は、一切、目にしたことがない。

 「称賛と危惧。チクロは、その危惧のために消え去った」

 「つまり、危惧は称賛を凌駕(リョウガ)すると」

 「そう、そういうこと。なのだけれど、政治の世界だけは、その世界で暗躍するあの人たちだけは、そうは問屋が卸さない。ナゼか、両雄、並び立ったりするわけよ」

 な、なんと。

 たとえ、発癌性やらナンやらカンやらが危惧されようと、安価だし、脱糖質という意味では健康的だと言えなくもないし、フルーツとの相性もいいらしいし、という称賛だけを、ことさら取り上げて、「チクロ、万歳!」。みたいに、たとえ、圧倒的な権力に悪用されそうな臭いが気持ち悪くなるぐらいプンプンとしようと、国家情報会議法も、国家挙げての重要情報活動も、インテリジェンス機能の強化も、、ドレもコレも、「皆、万歳!」、なのだろう。

 もちろん、ドコまでも怪しいチクロなトリオ、だけに、メチャクチャ、恐るべし。(つづく)