はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と八十六
「キョウミガナイコト ニハ キョウミガナイ」
「居酒屋あたりで知人やら友人やらと一献傾けていると、時折、痛切に、感じること、思うこと、が、ある」
ん?
ゴーイングマイウェイの権化のようなAくんが痛切に感じるコト、思うコト、って、いったい、ナンだろう。興味津々。
「興味がないことには興味がない、んだな、ってこと」
んん?
興味がないことには興味が、ない?
「価値観が違う。考え方が違う。その方向性がまるで違う。ではなくて、そもそも、興味がない」
そもそも興味がない、か~。
「価値観やら考え方やらその方向性やらと全くもって無縁というわけではないと思うが、トにもカクにも興味がない、って、感じ。伝わってくるわけよ、ヒシヒシと」
んん、ん~。
その感じ、結構、ある、か。あるような気がする。
「だから、その話題で不穏な空気に包まれることも口論になることも胸ぐらを掴んで殴り合い、なんてことも、当然、ないのだけれど」
「でも、なんとなく寂しい気がする、みたいな」
「そうそう、それ、それよ。ま、所詮、居酒屋でのオヤジたちの戯言(タワゴト)。オヤジ談義。ソレはソレでいいのかもしれない、と、思えなくもない。だけど」
だけど?
「大いなる責任ある圧倒的な権力を握る権力者が、そんな感じだったら、どうだ」
責任ある権力者が、そんな感じ?
「興味がないことには興味がない」
んんん、ん~。
それ、かなりマズいかもしれない。
「逼迫した大問題。たとえば、温暖化。少子化。輸入依存。地方の衰退。格差社会」
に、興味がないなんて、あり得ない。あり得るわけがない。
「君の顔中に『あり得ない』がへばり付いているようだが」
うわっ、見えるのか。
慌てて両手で顔を拭う。
「ほら、あの、国際的ビッグイベントの未払い問題、というか、事件。アレなんて、そのいい例だろ。当事者にとっては死活問題級の大問題であるにもかかわらず、『私たちだからやり遂げることができるんです』などと豪語していた行政のトップは、全くもって興味がない、って、感じ」
あ、あ~、アレか。
残念ながら、あり得るようだ。
Aくんのその指摘通り、興味がないことには興味がない、の、象徴的な一例。怒りを軽く飛び越えて情けなくさえなってくる、ぐらい、トンでもないコトである。
「いくら大問題でも、いくら困っているピーポーたちがいようとも、いくらこのままでは取り返しがつかないレベルのトンでもないコトになりかねなくても、興味がないコトには興味がない、トップ、って、マジ、罪深いよな」
先ほどの「血税」の使い道とも大きく関わってくるだけに、罪深い。罪深過ぎる。(つづく)