ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1433

はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と六十四

「シュウトメ ノ ギャクシュウ?」

 「この『橋田壽賀子』系ドラマは、もちろん、このままスンナリと幕が引かれる。なんてことにはならない」

 は、橋田壽賀子!?

 スリラーものかヤクザものかと思っていたら、まさかの、渡る世間は鬼ばかり、だったとは。

 「姑(シュウトメ)の逆襲」

 「姑の、逆襲、ですか」

 「そう。姑への手の込んだ復讐、に、対する、海千山千の姑の逆襲である『第二幕』、の、その幕が、スルスルと上がる」

 第二幕?、第二幕、か~。

 あの、♪タタラタラタラタ~タの名曲が天上から軽やかに舞い降りてくる。ココにきて、いろんなモノが次々に舞い降りてくるものだから、天上界も、きっと、妙に落ち着きなく騒(ザワ)ついているのだろう。などと思ったりする。

 「姑は、どうやって元嫁に逆襲するのですか」、と私。

 すると、一瞬、ニヤッとホクソ笑んだかと思うと、Aくん、掌(テノヒラ)でテーブルの上をペシッと叩き、まるで講談師のようなノリで、熱く、その逆襲の手口を語り始めたのである。

 「時は戦国、二千ナンチャラ年。元嫁によって追い出されかけた姑の、天下分け目の逆襲の火蓋が切って落とされたのでございます」

 興味津々。

 「傲慢、強引、隠蔽体質。ブレもするし嘘もつく。言うまでもなく、非を認めて謝罪する、なんてことも、まず、しない、姑。と、袂(タモト)を分かった元嫁の、起死回生の復讐劇に、姑は、姑息に方針転換。フェイクも絡ませつつ、涙も見せつつ、ひたすら情(ジョウ)に訴え掛けていく理屈抜きの浪花節戦術」

 情に訴え掛けていく、か~。 

 けっして好ましいとは思えない、その戦術。とはいえ、このところ、そこかしこで見掛けがちだ。とくに政治の世界。とくに、選挙で。選挙演説で。

 「数十年、寝る間も惜しんでお家(イエ)のために歯を食い縛り頑張って参りました。にもかかわらず、あの元嫁に、あの元嫁の新しい彼とやらに、私は、責められ、甚振(イタブ)られ、追い詰められ、追い出されそうになったのでございます」

 うわ~、それそれ、まさに、それ。見事なまでの被害者気取りの泣き落とし戦法。

 「こうなって参りますと、まんざら、この世も捨てたものではない。捨てる神あれば拾う神あり。情に絆(ホダ)され、『姑さんはナニも間違ってはいない。可哀想。虐(イジ)めるな』、と、ジワリジワリと空気が入れ替わって参ったのでございます」

 ありがち。

 事実を知らない、事実を知ろうとも思わない、むしろ、事実をフェイクと断じたい、世間は、いつだって、往々にして情に流されがちだからだ。

 「すると、不思議なもので、圧倒的に優勢を誇っていたかのように思われていた元嫁も、新しい彼も、世間からの口撃の的となって、ボ~コボコ。気が付けば、もう、哀れになるほどにコッパ微塵。影も形もなくなって、ソコには、ただ、乾いた風だけが空しく吹いているだけという、物語。このへんで、読み切りとさせていただきます」

 わかるような、わからないような、そんな「橋田壽賀子」系の講談ではあったけれど、おもわず拍手を送っていた私、なのでございます。(つづく)

 

 

追記

 〆の第三幕は、おそらく、近々、皆さま方の目の前で繰り広げられる、かと。

 毒をもって毒を制す。

 毒もまた薬になる、場合も、なくはない。

 そんな毒と毒の攻防。仁義なき戦い。を、ドッチもドッチと批判し、参戦する、第三勢力の動向も気になるところ。

 さて、いかなる幕引きを迎えるのか。

 ワクワクしつつ、ドキドキもイライラもキリキリもしつつ、乞うご期待。