はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と五十八
「イハンナラ カエテシマエ ホトトギス」
「徳川家康の『鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス』ならまだしも、豊臣秀吉の『鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス』、どころか、もう、ほとんど、この世の中、織田信長の『鳴かぬなら殺してしまえホトトギス』って感じなんだよな」、と、ほとんど怒りを通り越して、半ば、呆れ果てたかのように語り始めた、Aくん。
おっしゃる通り、この世の中、鳴かぬなら殺してしまえホトトギス、っぽいと言えなくもない、か。
「ヤタラと権力を握りたがる『普通』ではない権力者たちが圧倒的に強大な権力を握ってしまうと、どうしても、自動的に織田信長になっちまうのかもしれないな」
自動的に織田信長、か~。
残念ながら、織田信長に一度もお会いしたことがないので、彼が、本当に、そんな「イラチな殺し屋」みたいな人物であったのか、は、私にはわからない。ひょっとしたら、後(ノチ)に真(マコト)しやかにつくり上げられた「似非(エセ)」イメージで、実際は、気配りバツグンの部下思いの上司、あるいは、単なる心配性の臆病者、だったりするのかも。などと思ったりしているうちに、例のあの有名な肖像画の織田信長が、スーツ姿で、部下に気を遣いながら「今夜、一杯、どお」などと声を掛けているところが、突然、脳裏に、浮かんだりしたものだから、おもわず吹き出してしまいそうになる。
「たとえば、ほら、今、妙にヤタラと憲法を弄(イジ)りたがる連中、いるだろ」
いる。気持ちが悪くなるぐらいウジャウジャといる。
「あの人たち、って、まさにコレだよな」
コレ?
「違反なら、変えてしまえ、ホトトギス」
違反なら変えてしまえ?
あ、あっ、あ~、変えてしまえ、ホトトギス、か~。
「やれ、公職選挙法違反だ、政治資金規正法違反だ、憲法違反だ、と、うるせえから、ドサクサに紛れてドイツもコイツもマルッと都合良く改正しちまえ~、ってな」
やりそうだ。
いや、やらかしそうだ。
あっ、コレか、コレだな。先ほどの「ナニかをやらかしてしまいそう」は。
「普通」ではないあの人たちだけに、大抵は、ナニもやってなどくれない。ただ、あの人たちにとって都合がいいナニかをやらかしてくれるだけ。(つづく)