はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と五十七
「ザ ケンリョク イゾン ショー?」
「弱者たちよ、真っ当な弱者たれ」などと、エラそうに、圧倒的な権力に媚び諂いがちな弱者たちを批判することは容易いが、でも、やはり、圧倒的に罪深いのは圧倒的な権力を握りたがる、握る、権力者たちなのである。そのことは、シッカリと肝に銘じておかなければならない。
では、ナゼ、あの人たちはそんな権力を握りたがるのか。
握り倒して、その強大な力を見せびらかせたいのか。はたまた、権力に平(ヒレ)伏すピーポーたちの姿を見たいのか。あるいは、そうしなければ心が落ち着かないのか。
もし、そうであるなら、申し訳ないが、もう、あなたは、あなたたちは、依存症に違いない。
そう、権力依存症。
チッポケな自分に強大な権力という鎧を纏(マト)わせて、いつもの、あの、ドコまでも怪しげな「正義」という名の下(モト)に、強行の、愚行の、蛮行の、限りを尽くす。どころか、限りを尽くさずにはおられない、病い。恐るべし。
「失礼を承知で、あえて、あえて言わせてもらいますが。ナニよりも権力を欲する人間って、頭のドコかのネジがドウにかなってしまっているんじゃないか、って」
「僕も、思う。だって、普通、権力なんて欲しがらねえから」
そう、そうなのである。普通、権力なんて欲しがらない。
「そんな『普通』ではない人間が国を、世界を、動かすシステム自体に問題があるような気がして」
「ならねえよな。ナゼなら、権力ってヤツを握ってしまうと、どうしても、ルール無用の力業でナニもカもを強引に、思い通りにねじ伏せたくなりがちだからな」
なりがちだ。
「そんなモノで、組織が、国が、世界が、この星が、真っ当な方向に向かうとは、到底、思えない」
思えない。微塵も、思えない。
「よく、ナンとなく、漠然と、『ナニかをやってくれそう』みたいな淡い期待を抱く人がいるが、大抵は、『ナニかをやらかしてしまいそう』、『ナニかをやらかしてしまう』、だってことを、もう、そろそろ、いい加減、気付かないと、取り返しのつかないコトになっちまうかも」
なる。きっと、なる。
「この星のそこかしこで繰り広げられる、傲慢で、哀れな、権力依存症たちによる『ザ・権力依存ショー』。このトンでもないショーを、僕たちは、無理やり見せられ続けている、って感じ。反吐(ヘド)が出るぜ」
権力依存ショー、か~。
たしかに、反吐が出る。
「つまり、アホがアホ呼ぶアホアホワールドは、行き着くところ、結局は、不幸が不幸を呼ぶ不幸不幸ワールド、だということだ」
(つづく)