ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1415

はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と四十六

「テンプレーター!」

 「そんな読解力の低下を、とくに低下した権力者たちを、下支えするのが、template (テンプレィト)」

 テンプラ?

 「巧みに練られた雛型、定型書式、で、逃げ切りを図る。逃げ切る」

 あ、あ~、テンプレート。

 無駄に発音が良くて、わかり辛い。

 「ソレって、某地方自治体のトップの答弁でも話題になっている、あの、テンプレートですよね」

 「はいはいはい、そう、その、テンプレート。いや~、発揮してくれているよな~、見事なまでのテンプレーターぶりを。その『史上屈指』感、恐れ入るよ」

 史上屈指のテンプレーター、か~。 

 「どころか。アソコまでいくと、もはや、もう、アーチストの域という意味で、テンプレーティスト、と、言ってもいいかもな」

 テ、テンプレーティスト?

 いくらなんでも、さすがにソレは、ちょっと、褒め過ぎではないか、と。

 「もちろん、嫌いなタイプのアーチストではあるけれど」

 ほっ。

 「でだ。あの手のテンプレーターたちの共通点」

 ん?

 「ソレが」

 んん?

 「コレ。成功体験」

 成功体験、か~。

 「誰かが用意してくれたテンプレートで上手く逃げ切れた。という、成功体験。に、味を占めて、バカみたいにソレを繰り返すわけ」

 なるほど。

 「『なんだと~』とカッとして、己の言葉で墓穴を掘るぐらいなら、はるかにテンプレートは有効だということだ」

 そして、何度も何度も繰り返す、か。あたかも、ミニマル・ミュージックかナニかのように。

 「以前、バリ島のウブドで、夜、目にした、耳にした、ケチャ。ケチャ・ダンス。男たちが『チャッチャッチャッチャッ』と、繰り返し、繰り返し、陶酔していく様は、まるで、神さまが降臨してきたかのような、そんな感じでしたけれど。申し訳ないですが、あの人たちの『繰り返し繰り返し』には、おそらく、ナニも、降臨なんてしないと思います」

 「しねえだろうな~。いや、ひょっとしたら、邪神として恐れられている八十禍津日神(ヤソマガツヒノカミ)やら疫(ヤク)病神やら死神やらあたりは、その悪臭に釣られて、引き寄せられて、降臨、するかもよ」

 うっわ~、クワバラ、クワバラ。

(つづく)