ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1412

はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と四十三

「ミンナ ウエタ クマ?」

 「その、ポピュリズム、で、思い出したのだが」

 ん?

 「ココにきて、ヤタラと、クマによる被害が、犠牲が、目立つよな」

 ク、ク、クマ!?

 あっ、あ~、クマ。クマ問題。

 「アライグマやイノシシなら何度か遭遇したことはあるが、幸い、クマは、まだ一度も出くわしたことがない」

 例の、あの、イノシシ、か。

 「裏山で遭遇したけれど、ファイティングポーズで震え上がらせ撃退した、という」

 「そうそう、それそれ」

 申し訳ないが、Aくんのその武勇伝、嘘とまでは言わないが、たぶん、その、イノシシ、「たまたま」立ち去っただけ、だと思う。

 「時期的にあり得ないことらしいのだけれど、射止めたクマの胃袋には、大好物のドングリなどの木の実が、一切、なかったというから」

 なんと。

 山の中の木の実が、不作、凶作、だということか。

 「乱開発。自然破壊。過疎化。温暖化。に、よるのかよらないのか。とにかく、ナニかが変わりつつあるってことなんだろうな」

 クマにとって生き辛い環境になりつつある、ということか。

 「けれど、そもそも怖がりであったはずのクマが、ナゼ、街中(マチナカ)に出没するようになったのか」

 たしかに、ナゾめいてはいる。

 「ある専門家の話では、飢えによるパニック状態であったのではないかと」

 パニック!?

 「飢えが、クマたちを、パニクらせてしまったということだ」

 ん~、なるほど。

 「しかも、強いクマは山を下(オ)りないという」

 えっ?

 「ソレはナゼですか」

 「強いクマは、ドングリを独り占めするらしいんだよな」

 独り占め?

 そ、そうか。だから、弱いクマは飢え、パニックを起こし、山を下りる、のか。

 「なんか、コレって、我々人間社会と似てねえか」

 クマ社会と人間社会が、似ている?

 さすがにソレは、いささか無理クリのように・・・

 「強者と弱者。搾取。弾圧。そして、弱者と弱者。排外。誹謗中傷」

 思え、なく、ないか。

 「強いクマにドングリを独り占めされ飢えてしまった弱いクマの如く、パニクって、そして、山を下りて、自分より弱そうな者を見つけては攻撃、口撃する」

 うわ~、ほとんど同じだ。

 「ナゼ、弱いクマたちは、力を合わせて強きクマに闘いを挑まなかったのか。ナゼ、ドングリを、皆で、分け合いましょう、と、訴えることができなかったのか」

 ポピュリズムからクマ噺への流れについては、些(イササ)か、疑問は残るけれど、でも、深い、深いな、この、「みんな、飢えたクマ」理論。(つづく)