はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と二十五
「カゾクガ イルノデ」
家族がいるので。
家族がいるので、と、己がドコに住んでいるのかを公にしない地方行政のトップがいるというから、驚く。ならば、在職中は、己だけ、庁舎の近くに住めばいいではないか。というか、近くに住むべきである。自治体にもよるが、そのために、ヤタラと維持費が掛かって仕方がない、あの、知事公館なるものもあったりするのだろう。そうでなければ、多分、大災害が起こってしまった時、とくにその初期対応において、トップとしてリーダーシップを発揮することはできない。ソレが、ソレこそが、大災害というものなのである。にもかかわらず、バカみたいに能天気に「パトカーで駆け付ける」などと宣っておられるようだが、いったい、どのような大災害を想定されておられるのか。その想像力の陳腐さに、おもわず、苦笑、失笑、さえしてしまう。
家族がいるので、か~。
一般ピーポーならば、おそらく、自慢の良きパパとして評価されるのかもしれないが、できることなら家族と同じぐらい、いや、ソレ以上に、県民を、国民を、この星のピーポーたちを、大切だと思える方に、トップに立って頂きたい。そうでなければ、そのトップは、きっと、ダレも、ナニも、守れない。
そう、守れるはずがないのである。
いや、そもそも、守ろうとなんてしていないのかもしれない。どころか、ハナから、そんなコトに興味がない。
そう。全くもって、興味なんてないのである。
だから、己の家族は守るが、たとえば、同じように家族がいる部下は、県議会の議員は、守らない。守ろうとも思わない。
ん、んんん?
ひょっとしたら。
トップになんて立ってはいけない人が、己の充足感だけのために、その立場を手に入れたに過ぎないのかもしれないな。(つづく)