はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と二十一
「サヨナラ マイナンバーカード?」
その、高校野球も気にはなるが、当初の見積もりの10倍とも言われている、あの、マイナンバーカードもまた、同じように、いや、ソレ以上に、気になる。なんといってもナンやカやと血税3兆円を投入している期待のシステムである。はずなのだけれど、どうしても、出来損ないの臭いを拭い去ることができない。おそらく、癒着と利権に塗(マミ)れまくっているがゆえに、まだまだその土台が脆弱(ゼイジャク)であるにもかかわらず、焦ったのだろう、慌てたのだろう。そうでなければ、普通、あんなモノを強行したりはしない。
「現場で苦労されている方々には申し訳ないのですが、例の、あの、マイナンバーカード。数年後にはこの国から消え去っているような気がしてならないのですが」、と私。
すると、Aくん、「マイナンバーカード、ね~」と呟きながら、またまた、テーブルの上を片付け始めた。
い、いかん。
このままだと、またまた、奥へと姿を消してしまうに違いない。どうしたものか。
と、思案しているうちに、Aくん、そそくさと目の前から消えてしまった。
うわ~、マイナンバーカードどころかAくんまでもが消えてしまったか~。などと、独り言ちているうちに、不謹慎にもナンだか可笑しくなってプッと吹き出してしまいそうになる。
いかん、いかん。
そんな邪念を呑み込んで、軌道修正。
とはいえ、とはいえである。アレだけの血税を投入してきたシステム。仮に、完全に破綻して、使いモノにならないことが公になって、全てが無駄になってしまったとしたら、いったい、誰が、その責任を取るのだろう。気になる。
力不足であるのに請け負った、企業?
妙に強行手法だった、あの、傲慢な担当大臣?
右向け右の、ナニも考えない、考えられない、国会議員たち?
あくまでも私の推測だけれど、多分、誰も責任なんて取らないだろう。責任なんて取らなくてもいい、上級、特権階級だけに、この手の「やり逃げ」は、マイナンバーカードに限ったことではなく、悲しいかな、度々、ソコカシコで見受けられるのである。
そして、近い将来、誰も、責任を負うことも取ることもしないまま、マイナンバーカードは、人知れず、隠れるようにして消えていく、ような気がする。
サヨナラ、マイナンバーカード。
サヨ~ナラ~、マイ、ナンバ~、カ~ド。
(つづく)