はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と二十
「ミンゾクイショウ ハ ヒカエロ?」
そんな「蔑視」の臭いを感じずにはいられない、ある、出来事を、目撃してしまう。
かなり以前から、高校野球なるモノのワケのわからなさが気にはなっていた。と、いうか、より正確に言わせてもらうなら、我が政党だからこそやり遂げることができるのです、などと、豪語されておられた、例の、あの、国際的、国家的ビッグイベント同様、運営側、協会、事務局、の、ワケのわからなさが、で、ある。
「沖縄の民族衣装は高校野球にはそぐわない、のでしょうか」、と、思いっ切り唐突に、私。
「なんだよ、それ」、と、さすがに、ちょっと、困惑気味の、Aくん。
「『いいな~、こういう応援って。それぞれの地方の色が、ホンワカ感じられて』などと思っていたら、決勝戦では、その応援、なくなっていたんです」
「上から、『民族衣装は控えろ』とクレームが入ったか」
「そうかもしれませんし、そういうその手の巷のクレームを受けてのコトなかれ主義の『お願い』なのかもしれません」
「お願い、ね~」
「たぶん、『お願い』という被(カブ)り物で身を纏(マト)った『命令』以外のナニモノでもないのでしょうけれど」
「だろうな」
「ドチラにしても、罪なき高校球児たちにはタイヘン申し訳ないのだけれど、一気に、もう、高校野球なんて見たくなくなってしまいました」
「容易いことではないかもしれねえが、もう、いい加減、あの怪しげな運営組織から足を洗われた方が、縁をお切りになられた方が、いいと、思うがな」
同感。
一つ一つの対応が、あまりにもバラつきまみれで、お粗末。ナニモノにもビクともしない堅牢で真っ当な「筋」が、一本、ソコに通っているとは、到底、思えない。
「そもそも、チアリーダーの衣装が良くて民族衣装はダメ、って、いったい、ナンなんだよ」
おっしゃる通り。いったい、ナンなのだろう。
沖縄だからか。
ソレを許せば収拾がつかなくなるとでも思ったか。
ドコからドウ考えても、全くもって解せない。
「ソコまでガチガチにやりたいのなら、ナニもカもヤメにして、拍手と歓声だけにすればいい」
同感。
「だいたいからして、他に、もっと、ガチガチにビシッとやらなきゃならねえコトがあるだろ。と、思うのだけれど、あの人たちには、おそらく、わかんねえんだろうな~」
ん~。
差別に、イジメに、誹謗中傷に、目を瞑ってしまうような組織に、高校野球に関われる資質が備わっているとは、資格があるとは、どうしても思えないのである。(つづく)