はしご酒(Ａくんのアトリエ) その八百と十六
｢ガデンインスイ！｣
｢ついでに、もう一つ｣
も、もう一つ？
ひょっとして、まさかのエンドレス？
｢あなたの、言動のせいではないのか｣
ん？
｢私の、言動のせいだというのか｣
んん？
｢ならば、根拠を示せ。証拠を提示しろ｣
んんん？
｢確証もないのに他人(ヒト)を責める。文句があるなら証拠を出せ。と、確証もないのに私を責めるのか。証拠がないならトやカク言うな。訴えるぞ。と。前者も後者もドチラも、時折、耳にする、迷惑系政治家たちの口撃用常套句だ｣
んあ、あっ、あ～。
たしかに。たしかにその手の常套句。以前よりも耳にするようになってきたような気がする。
｢とくに、この両者を使いこなす、使いこなしてしまう、オキテ破りのダブスタ強者(ツワモノ)の、その『我田引水』感、ハンパない｣
片方だけでもトンでもないのに、両者とも使いこなしてしまう、ダブスタ強者、か～。
たしかに、その｢我田引水｣感、ハンパない。
｢証拠は相手が提示するもの。提示できないなら黙ってろ。と、いうことですか｣
｢そうだ、そういうことだ。己を守るためなら、己を正当化するためなら、ソレがオキテ破りであろうがダブルスタンダードであろうがナンであろうが、平気で相手を叩く。叩きのめす。ほら、あの、スラップ訴訟なんて、まさに、その、いい例だよな｣
ヒ、ヒドいな。
｢酒を呑み交わそうとは思わないが、そんな一般ピーポーなら、まだ、ギリギリ諦めもつく、かもしれない。が、政治家だぜ。権力者だぜ。しかも、血税で飯を喰っている上級公務員だぜ。ドコをドウ考えても、こんなの、ダメだろ。許せんだろ。そうは思わないかい｣
思わなくない。全くもってダメだ。
この国に生きる一般ピーポーたちを、己のために叩けてしまう公務員なんて公務員ではない。
公務員は万人のためにある。
私たちを、都合がいい者たち、と、都合が悪い者たち、に、分け、後者を非国民扱いして、人非人(ニンピニン)扱いして、排除しようとするような手口は、所業は、けっして許されるものではない。(つづく)
