ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1376

はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と七

「トウリトウリャク? ジリジリャク?」

 「まず、政党の理念がド~ンとあって、そして政策があって、ソコに惚れて、その政党から出馬。なら、まだしも」

 ん?

 「結局は、所詮、己。自分。自利自略。なんじゃねえのか、ってな」

 ジ、ジリ、ジリャク?

 「なんなのですか、その、ジリ、ジリャクって」

 「党利党略、ならぬ、自利自略」

 「あ、あ~、自利、自略。つまり、自分ファーストってことですよね」

 「そう、それ。自分ファースト。党利党略でも、かなり問題アリアリなのに、自利自略だぜ。この町で、この国で、この星で、生きる、ピーポーたちのために奮闘せねばならない立場であるにもかかわらず、自利、自略。情けねえよ、まったく」

 自利自略、か~。

 そういえば、このところ、時流に乗って、とりあえずその政党から、という候補者を、よく見掛けるような気がする。

 「そんな貴方(アナタ)に、ワザワザ、政治家になっていただかなくて結構ですので、ここはお引き取りくださいまし。と、言ってやりたいよ」

 そうだ、言ってやりたい。

 そんな人間は、わざわざ、他人(ヒト)のために奮闘しなければならない政治家になんてならなくていいのである。

 「ソレほど、あの仕事、旨みがあるのかね~」

 旨みがあるのかどうかは私にはわからないが、少なくとも、そういった「自利自略」系の候補者たちは、ソコに旨みがあると思っているのだろう。

 「話が少し逸れてしまうかもしれませんが。ほら、よく、お身内のトップに対して『責任取って、辞めろ~』などと真面目な顔をしてエラそうに叫んでおられる政治家、いるじゃないですか。でも、冷静に、クールに、考えれば考えるほど、『責任取って辞めないといけないのは、むしろ、君だろ』って、ケース。結構、あるような気がして」

 「そのケース、ある、あるよな~。旨みがあるこの仕事を失いたくない。だけど、アレがトップじゃ、コッチの身が危ない。選挙に勝てない。タイヘンだ。って、感じなんじゃねえの」

 ふ~。

 ドコまでも自利自略。

 恐るべし。というか、悍(オゾ)まし、い。

(つづく)