ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1358

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と八十九

「イヤナモノハ イヤナンダ ト イエナインダ」

 「けれど、けれどだ」

 ん?

 「会社の上司なら、まだ、手の打ちようもあるかもしれないが、ソレが、国、だとしたら、どうだ」

 んん?

 「遵法精神など微塵もない保身の塊のような国家だとしたらだ」

 ん、んん~。

 「遵法精神など微塵もないから法そのものに手を付け都合のいいモノに変えてしまうだろうし、ナンやカンやとエラそうに宣ってはいるが、結局は己が大事、保身の塊なわけだから、弱きピーポーたちの身になって、なんて、まず、考えねえだろうしな」

 ん、んんん~。

 会社だって、そう簡単には逃げ出せないのに、ソレが国ともなれば、尚更。まず、逃げ出せない、か。

 頼みの、呪いの藁(ワラ)人形、に、しても、相手が強大過ぎて怯んでしまう、か。

 「もし、そんな、トンでもない国だとしたら、の、その、象徴的なヤツが、あの、先ほども話題に上っていた『緊急事態条項』であり『スパイ防止法案』なのかもしれねえぜ」

 ん、んんんん~。

 行動力も知力も経済力もあるピーポーなら逃げ出せる、か、も、しれないが、私たち一般ピーポーに、少なくとも、私に、私ごときに、そんなコト、できるはずもなく。

 と、なると、超巨大な藁人形でもつくって、ソレに、縋(スガ)るしかない、か。

 「もちろん、知ろうとしなかった我々にも大いなる責任はあると思う。あると思うが、でも、ドコからドウ見ても考えても、あまりにも『一般ピーポーたちが知らないうちにチャチャッと通してしまおうぜ』感が満載なだけに、アッチの方が、ウンと何倍も悪質だと、どうしても、思っちまうわけよ、僕は」

 同じく、私も、そう思う。

 あの人たちのそうした手口、そうした、「嫌なものは嫌なんだ」と言わせない手口。私たちより何倍も、何倍も、何倍も、悪質だと思う。(つづく)