はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と八十
「コジン ノ ソンゲン!」
「表現の自由、の、その前に、それ以上に忘れてもらっちゃ~困るのが」
ん?
「個人の尊厳」
あ、あ~。
「憲法の、その根幹に、ド~ンと御座(オワ)しましているのが、ナニあろう、この、『個人の尊厳』だと僕は思っている。個人が個人として輝くとは、まさにコレなんじゃねえか、ってな」
ん~、なるほど。
たしかに、ソレこそが、あの、トンでもない数の命が失われた、奪われた、奪われてしまった戦争から、奇(ク)しくも学んだ、学べた、コトだと私も思う。もちろん、学べたのだからあの戦争には意味があった、とは、ならない。
「あの人たちは、その『個人』に、『個人の尊厳』に、異常なほど反応するようだがな」
しかもその反応、残念ながらドコからドウ見ても好意的なモノのようには見えない。
「僕はね、このところの目に余る悪しきコトの根源は、元凶は、『個人』の、『個人の尊厳』の、著しい軽視。蔑(ナイガシ)ろにしようとするその姿勢。に、あると思っている」
蔑ろにしようとする、姿勢、か~。
「民主主義も、自由主義も、資本主義も、ソコカシコの主義も、コトと次第によっては共産主義も、巨大なチカラが集中すればするほど、権力を握れば握るほど、ズルズルと、個人の尊厳は蔑ろにされがちだということだ」
ん~。
小さな組織から巨大な組織まで、ヤヤもするとどんな組織も、いとも簡単に、全体主義に陥ってしまいかねないということか。
多分、あの人たちが気に入らない、この、ワードトリオ。を、改定の、改憲の、そのドサクサに紛れて、シレッと、葬り去ろうとしているように、私には、思えてならないのである。(つづく)