はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と七十八
「タノシミニ シテイルヒトガ イル ト イツマデ イッテイルンダ ト」
「ドコからドウ考えても、ソコは大問題。放ったらかしにしておくのではなくて、上下左右、内外、全ての英知を結集して事前に解決しておかないと。でも、仮に、もし、結集しても解決できないようなら」
できないようなら?
「根本から再考しないと」
出たとこ勝負の神頼み、の、第2弾。というか、「出たとこ勝負の神頼みではダメだ」、の、第2弾、だな。大変だろうけれど、当然のごとく再考しなければならない、と、私でさえ、思う。
「危ないだろ。安全が確保も担保もされないだろ。違うかい」
違わない。メチャクチャ、危ない。危なすぎる。
「にもかかわらず、なんと、その大問題を事前に解決しなくとも、一般ピーポーたちの賛同を、支持を、得る、得られる、オキテ破りの必殺技があったりするわけよ」
えっ!?
支持を得る、得られる、必殺技、とは、いったい。
「ソレがコレ。楽しみにしている人がいるんだから。開会に向けて頑張ってくれている人がいるんだから」
あ、あ~。
つまり、水を差すな、ということか。
「でも、ソレって、論点が完全にズレていますよね」
「ズレてる。ズレまくってる。問題点の解決と、楽しみにしている人がいる、頑張ってくれている人がいる、とは、別次元。全くもって関係がない。はずなんだけれど」
ん?
「『そうだ、そうだ、その通り。アンチは難癖ばかりつけて、文句ばかり言って』、と、どうしても、なっちまう」
ア、アンチ?、難癖?、文句?
「捨て置けない問題点の指摘が、難癖、文句、いちゃもん、呼ばわり。されてしまう」
最悪だ。
「しかも、しかもだ」
んん?
「じゃ、全てが終わってから、総括として、浮き彫りになった問題点たちを指摘したとしよう」
総括は大切。
とくに、多額の血税が投入されたようなビッグイベントは、必ず、総括しなければならない。今後、同じ過ちを繰り返さないためにも、ソレは、当然の責務である。
「すると、なんと」
んんん?、ま、まさか。
「『いつまで言っているんだ。終わったんだから、そんなの、もう、ドウでもいいだろ』、と、くる」
う、わ~。
「前門の虎も後門の狼も、ドチラも、見事なまでに軽くあしらわれてしまう、というわけだ」
前門の虎も後門の狼も、か~。
若干、その諺の使われ方に引っ掛かるものはあるけれど、でも、虎の咆哮(ホウコウ)も、狼の遠吠えも、あの人たちの耳には届かない、というコトだけは、その嘆きだけは、失望だけは、悲しくなるぐらい伝わってくる。(つづく)