ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1346

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と七十七

パワハラニハ エール? パワハラニハ マカレロ?

 「power harassment (パワーハラスメント)!」

 えっ。

 「の、power は、圧倒的強者」

 あっ。

 「その、圧倒的強者による権力の濫用、嫌がらせ、差別、懲戒」

 あ~。

 「に、ナゼか、この国は、目を瞑(ツブ)りがち」

 目を瞑りがち?

 「情けない話だが、ずっと、世界ランキングの上位を維持し続けている」

 そ、そうなのか。

 「つまり、たとえば、power harassment を受ける側にもソレなりの原因がある、などという、圧倒的強者へのエールが、未だに、幅を利かせたりしているわけ」

 圧倒的強者への、エール、か~。

 「この国の長い歴史の中でピーポーたちに染み付いてきた、この、『長いモノには巻かれろ』理論は、そう簡単には払拭などできないということだ」

 あっ。

 「ソレって、あの、『ナガイモノニハ、マカロニウエスタン』理論ですよね」

 「そうそう、抗(アラガ)って痛い思いをするぐらいなら、最初から、長いモノに巻かれちゃいなよ、の、『ナガイモノニハ、マカロニウエスタン』理論ね。で、その理論にシッカリと裏打ちされた、この社会、が、トンでもなく厄介なわけよ」

 ん~。

 ようするに、この国においては、その手の圧倒的強者によるハラスメントは、パワハラは、向かうところ敵なし、ということか。たとえ、ソレが、どんなに傲慢で強引で無慈悲なモノであったとしても。

 最悪だ。

 「その厄介さを見事なまでに可視化したモノの一つ、ソレが、先ほども言わせてもらった『エール』系の取り巻き連中、理屈抜きの岩盤支持層、親衛隊」

 あ~。

 「その親衛隊たちが、圧倒的強者による圧倒的に傲慢な power harassment を、正義の鉄槌だと、反対分子たちによる誹謗中傷に屈しない力強いリーダーシップだと、本気で賞賛したりする、わけよ」

 たしかに、それ、かなり厄介かもしれない。

(つづく)